領事情報

安全の手引き

● はじめに

 国民の約84%がカトリック教徒であるアイルランド国民の気質は概して温和、陽気、忍耐強い、人なつっこく親切などと評されており、困っていると手助けしてもらった方もおられるでしょう。
 治安は比較的安定しているといえますが、繁華街や観光スポットを中心に窃盗や粗暴事案が日本より高い水準で発生しているほか、住居侵入の被害を受けた邦人もおり、相応の注意が必要です。
 2016年2月にダブリン市内北部のリージェンシー・ホテルで発生した銃撃事件以降、ギャング団の抗争とみられる銃撃事件がダブリン市内及び近郊で複数件発生しており、警察が警戒活動を強化しています。
 また、欧州においては、2015年11月にパリ市内及び近郊でのテロ事件以降、2016年はドイツ,フランス,ベルギーで、2017年4月までで英国,フランス,ロシア,スウェーデン,ノルウェーにおいて様々なテロ事件が発生し、多数の犠牲者が出ました。
 こうした治安事情も踏まえ、在留邦人の皆様向けに「安全の手引き」を改訂しましたので、御参考にしてください。犯罪の中には、各人が防犯意識を持ち、対策を講じることで被害を免れ得るものもあります。
 当館は在留届を提出された在留邦人の皆様に海外安全情報をEメールで随時送信していますので、当国に3か月以上滞在される方は東京の外務省のホームページ上のORRnetを通じて当館宛に在留届を提出してください。

 
● 防犯の手引き

I 防犯の基本的な心構え

1 自分と家族の安全は自分たち自身で守るとの心構えを持ち、最悪に備えながらも、行動は冷静に。
2 住居の安全対策は生活の基礎となるため、単身赴任や家族帯同にかかわらず、着任当座のホテルや住宅選びは安全性の観点も検討する。
3 行動の三原則
(1)目立たない
(2)行動をパターン化しない(路上強盗や誘拐対策)
(3)用心を怠らない
4 現地社会に早く溶け込むよう努め、近隣住人と情報交換する。
5 新聞、テレビ、当館ホームページ等により、どのような犯罪被害が発生しているかを知ることは、防犯対策を検討する上で重要。常に最新の治安情報を確認する。

 

II 犯罪発生状況

 当国における2016年の犯罪総件数は196,659件で、前年比12.6%減少しました。
 主な犯罪の種類と発生件数は次のとおりです。
1 車上狙い、自転車盗など 33,892件(前年比-18.2%)
2 万引き 21,544件(同-5.1%)
3 侵入窃盗 17,718件(同-30.2%)
4 薬物関連 16,104件(同+6.5%)
5 暴行・傷害 14,150件(同-4.9%)
6 自動車盗 4,885件(同-24.4%)
7 スリ・ひったくり 4,796件(同-11.4%)
8 詐欺・横領・背任 4,718件(同-15.8%)
9 脅迫・恐喝 1,858件(同-12.0%)
10 放火 1,638件(同-5.6%)
11 屋外強盗1,345件(同-16.0%)
12 強制わいせつ 1,479件(増減無し)
13 屋内強盗 919件(同-23.6%)
14 強姦 516件(同-3.7%)
 
2016年の傾向は次のとおりです。
ア 全体として減少傾向
イ 薬物関連のみ増加
ウ 強制わいせつは増減無し

エ 在留邦人及び邦人旅行者の最も多い被害はスリ。
被害場所はパブが多いが,路上,電車内,ショッピングモール,駐車場でも発生。
手口は,気がついたらバッグのチャックが開いており,財布や旅券が盗まれていた。
<対策>
a 厚手の長財布に多数のカードを入れている方が多いので,外出先に不必要なカード(使用予定のないクレジットカード,日本の自動車運転免許証,航空会社のマイレージカード,病院の診察券)を持ち歩かない。
b 犯人は,財布をバッグにしまうところから物色しており,被害者の後ろを歩いて窃取のタイミングを計ります。このため,買い物で取り出した財布は貴重品をバッグの一番下(底)に収める。
c 両肩で背負うバッグの場合,人混みでは前で抱えて持つ。
d 現金は一つの財布でなく,少なくとも二つ以上に分散して持ち歩く(特に旅行中)。
 
オ このほか,路上でのスマートフォンのひったくり,ニセ警官による職務質問を装った窃盗事案の被害報告も当館に寄せられています。
 

III 防犯のための具体的な注意事項

1 住居
(1)選定
一般的に次のような場所や物件を避ける。
○ 道路にゴミが散らかっている、壁等に落書きが多い。
○ スーパーマーケットや店舗の入り口や窓が鉄格子で厳重に防御されている。
○ 昼間から大人が所在なげにたむろしている。
○ 庭の手入れが悪い家が多い。
○ 表通りから見えない、家の入り口や周囲が樹木に覆われて外部からの死角が多い。
○ 夜間、家や周辺の照明が十分でない。
 
(2)賃貸借契約
○ ウェブサイト上で契約する場合は詐欺被害に遭わないよう、相手の人定等を確認する。
○ 仲介不動産業者の規模・信頼性を確認する。
○ 家主の人定等を確認する(入居後、家主が銀行ローン返済不能になって銀行に物件を取り上げられ、店子が退去を求められるケースがある。)。
 
(3)防犯
ア 入居前に次の点を確認する。
○ 入居先物件や周辺における過去の犯罪発生の有無(近隣住民に聞く)
○ ほかの入居者の状況
○ 警報装置やガードマン配置等のセキュリティの有無
○ 玄関・ガレージ等の出入規制の要領
○ 玄関扉や通用扉の施錠の有無
 
イ 入居後の注意点は次のとおり。
○ 鍵・施錠
a 可能であれば、入居後に玄関ドアや各部屋の鍵を新しいものに交換する(先住人が合い鍵を所持している可能性があるため。)。
b 玄関ドア、裏口、各部屋を確実に施錠する(習慣づける)。
c オートロックの玄関ドアであっても、必ず内側からも施錠する。
○  警報装置など
a 警備会社と契約し、防犯アラーム等の機械警備を実施する。
b 夜間外出時用に、一定時間ごとに点灯するタイマー機能付き照明器具を道路に面した部屋に設置する(又は部屋の照明をつけたまま外出する。)。
○ 避難部屋
 予め家族で緊急時に避難する部屋を決めておき(ドアが厚い主寝室など)、固定電話の子機を設置し、いざという場合は警察に通報して救助を待つ。
○  来訪者
a 住居への出入りやエレベーター乗降時は、周囲に不審な者がいないか注意する。
b 訪問者がある場合は必ず覗き窓等から相手を確認の上、ドアを開ける際はドア・チェーンをかけたまま、IDや社員証の提示を求める等して再度相手を確認する。
○ 電話の隣に緊急連絡先リストを備える。
○ 貴重品や高価な電化製品が窓の外から見えないようにする。
○ 隣人やアパートのガードマンと良好な関係を築く。

(4)侵入窃盗・侵入強盗
ア 狙われやすい家屋
 空き巣犯人は事前に家族等の行動の下調べをするといわれている。
○ 留守がちな家、老人のみの家、侵入警報装置が無い家
○ 夏休みやクリスマス等で長期休暇を取得する時期
 さらに、空き巣犯は、門扉や家屋のドアがたまたま(偶然)開いている家を物色しているといわれている。

イ 対策
○ 日頃から近隣住人と良好な関係を築き、留守にするときは一声かける。
○ 自宅周辺で辺りを窺う不審な人物や低速度で巡回する自動車を見かけた場合は用心する。
○ 見知らぬ訪問者(予約していない修理業者など)を安易に屋内に入れない。
○ 郵便物が窃盗され、個人情報がカード詐欺などの犯罪に悪用されることのないよう、郵便受けを施錠する、郵便物送付先を会社等に指定するなどの予防措置を講じる。

2 外出時
(1)自動車に関する注意事項
ア 車上狙い
○ 短時間の駐車といえども、鞄、カーナビ等電子機器、上着やコートを車内に放置しない。
○ 賊がトランク内の荷物の出し入れを見ているとの緊張感を持つ。
○ 走行中及び駐車中(短時間でも)ともドアをロックし、窓は閉めておく。
○ 渋滞や信号待ちの間に突然ドアを開けられたり、窓ガラスを割られ、空席に置いた鞄等が盗まれるケースがある。
 
イ 自動車盗
○ 車両盗難はその大半が若者による犯行と言われている。車を盗んだ後に乗り回して楽しみ、暴走行為で車両を壊した後放置したり、人気のない所で焼棄する。
 また、犯罪組織が犯行時の逃走車両とするために窃取することもある。
○ 信号で停車中に追突され、降車したところで車を強奪されるケースがある。
○ 自動車用盗難警報装置(アラーム)を装着する。
○ ハンドルとブレーキペダルを固定する器具又はギヤとサイドブレーキを固定する器具も装着した方がより安全。
○ 空き巣犯が自動車の鍵を捜し出して車を盗むといった犯行もあるため、自動車の鍵の保管にも注意する。
○ 駐車は安全な場所を選ぶ。夜間は明るい場所に駐車する。路上駐車はできるだけ避ける。
○ 乗降時、周囲に不審な人物がいないか注意する。
○ 盗難をカバーする保険に加入する。

ウ 運転
○ 誰かにつけられていると感じたら、警察署や人通りの多い場所に避難する。
○ 普段通行する道路上の逃げ込める場所をあらかじめ把握しておく。
○ 走行中のエンスト等のトラブルを避けるため、車を常に点検する。ガス欠に注意。
○ 遠出する場合はガソリンスタンドの場所をあらかじめ確認しておく。

(2)街中での注意事項
ア すり・ひったくり・置引き
(a)主な発生場所
○ ダブリンの中心的な繁華街であるオコンネル通りやグラフトン通りとその周辺
○ テンプルバー地区などの人通りの多い場所
○ 混雑している電車内
○ 入場料を要する施設内(ギネス・ストアハウスなど)
○ ホテル内のレストランやチェックイン用カウンター
(b)主な手口
○ 路上で徒歩による追い越しざまにバッグ等をひったくる。
○ 複数人が取り囲み、一人が注意を引きつけて他の者が懐やバッグ内から財布を窃取。
(c)対策
○ 路上で地図やガイドブックを長時間広げたり、広げたまま長時間歩行しない(土地に不案内な旅行者とみなされ、格好のターゲットとなる。)。
○ 同様に、路上で携帯電話やスマートフォンの長時間使用を控える。使用する際は壁を背にする等、背後からのひったくりに警戒する。
○ 現金の所持は必要最小限にし、カード類も分散して所持する。
○ ホテルや空港でのチェックイン時は、足下のバッグに注意を払う。
○ ビュッフェ(バイキング)形式で、テーブルにバッグや携帯電話・スマートフォンを置いたり、椅子に上着をかけたまま食事を取りに行かない。二人以上で食事する場合は、交替で料理を取りに行く。
○ 同様に、空港においても、椅子にバッグを置いたまま買い物に行かない。
○ 次のケースでは、相手にせず、荷物を手に持って速やかにその場を立ち去る。
 注意を逸らしたり、会話の隙に荷物や財布を持ち去られる被害があります。
 ・ 服が汚れていると注意してくる。
 ・ アイスクリーム等を持った相手がぶつかってきて、服を汚す。
 ・ 地図を広げて現在地や目的地を聞く。
 ・ コインをばらまいたり、ワインボトルを落として割り、注意を引きつける。
 ・ 警官と称する者が呼び止める。
(d)補足
○ 「気がついたら旅券や財布が無くなっていた」という邦人旅行者が多い。
 盗難か紛失か原因は不明ですが、旅券の管理には注意を払ってください。
○ ひったくりは、バッグを手放さないと転倒して怪我をすることがあるので、抵抗しない。また、道路の壁側の手でカバンを持ち、壁側を歩行する(バイクによるひったくり防止)。

イ 路上強盗
(a)主な発生場所
○ 裏通りのほか、夜間の繁華街
○ 特に深夜帯は絶対安全といえる地域は無い。
(b)対策
○ 繁華街といえども夜間の一人歩きは避ける。
○ 帰宅が遅くなる場合は、家族・知人に迎えに来てもらうか、公共交通機関を利用する。
○ タクシーは一般的に安全といえるが、深夜帯における女性の単独乗車は避ける。
流しのタクシーを利用するより、電話やインターネットでの配車が望ましい。
(c)補足
過去に置引きの被害に遭った日本人が、被害品を取り戻そうとして犯人の仲間に殴打され怪我をするという事件がありました。万が一被害に遭っても、犯人を追いかけるようなことはせず、大声を出したり、速やかに警察に通報してください。負傷した場合は何よりも落ち着いて、怪我の応急処置、救護の要請を行ってください(警察、救急車とも999又は112)。

3 インターネット詐欺
(1)主な手口
○ インターネット(又はFAX)で儲け話や何らかの取り引きを持ちかけ、結果的にお金をだまし取られるもの。
○ インターネット上(又はFAXや電話)でのやりとりが基本で、直接面談することはない。
○ 犯人は旅券等の身分を証明する文書を添付ファイルで示し、身元を明らかにする工作を行う。
○ 主な具体的な手口は次のとおり。
・ マネーロンダリング(資金洗浄型)
 政府・軍・公社の秘密資金や富豪の遺産を海外に送金するため口座を借り受けたく、謝礼を支払うと約束するが、その前に現地官憲へ賄賂を支払う必要があるとして、お金を送金させる。
・ 紙幣消印型
 黒く塗りつぶした大量の米ドル紙幣の汚れを落とす薬剤を購入するための費用の負担を求め、報酬としてそのドル紙幣を渡すとの誘い。
(2)対策
○ 「自分は大丈夫。絶対に騙されない」という過信は禁物。
○ 儲け話を安易に信用しない。
○ 相手の身分事項の真偽をしっかりと確認する。
○ お金を送金する前に周囲に相談したり、同様の手口での被害情報がないか確認する。

4 薬物・銃器犯罪
(1)傾向
○ アイルランドにおけるコカイン消費量は深刻な社会問題の一つ。
○ 銃器薬物取引に絡む抗争も依然散発。
(2)対策
○ 安易に薬物に手を出さない。
○ 見知らぬ人から荷物を預からない、荷物運搬の依頼は断る。
(知らないうちに薬物取引の片棒をかつぐことになる。)

5 暴動・騒乱
(1)具体的事案
○ 2016年2月、ダブリンシティセンター付近において、「ペギータ」と称する反イスラム団体と反人権差別主義団体の小競り合い、衝突事件が発生。
(2)対策
○ このような場面に遭遇した場合、周囲の状況に注意を払い、速やかにその場を離れて安全を確保する。
○ デモや抗議活動の実施予定がないか、報道等で確認する。
 
GARDA(アイルランド国家警察)の防犯に係るウェブサイトです。
http://www.garda.ie/Controller.aspx?Page=1921&Lang=1


● 滞在時の留意事項

1 在留届の提出
・ 外務省ホームページ(ORRnet:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )で登録いただく。
(旅券法第16条「外国滞在の届出」で義務づけられています。)
・ 届出内容は個人情報として在アイルランド日本国大使館限りで保管し、外部へ提供されることはありません。
○ 登録を要する方
 アイルランドに3か月以上滞在される方
○ メリット
・ 大使館からの種々のお知らせ等の連絡
・ 緊急時における大使館による安否確認
○ アイルランド国内での転居、帰国や転勤時
 転居・帰国等でアイルランドを去る際や、記載事項に変更があった場合(家族の呼び寄せ・帰国、婚姻、出産、就職等)は必ず手紙、FAX、E-mailで在アイルランド日本国大使館に連絡しください(時間的余裕が無い場合は電話でも可)。

2 旅行・写真撮影の制限
(1)旅行制限は特にありません。
(2)軍事施設の写真撮影は禁止されています。空港での撮影は、公共スペースでは問題ありません。しかし、それ以外の空港施設については禁止されています。
 
3 交通事情
(1)運転免許証
・ アイルランドで自動車を運転する場合、日本で国際運転免許証を取得する必要があります。
・ 入国後に日本の運転免許証からアイルランドの免許証に切り替える場合は、在アイルランド日本国大使館において日本の運転免許証の抜粋翻訳証明の発給を受けたのち、アイルランド側に申請します。
 
(2)交通ルール
・ 日本と同じ左側通行です。
・ 住宅街はT字路や行き止まりの道路が多いですが、標識は比較的整備されています。
・ 信号のない交差点では右側からの車両が優先となります(YIELDの標識)。
・ 郊外の交差点はラウンドアバウトと呼ばれるロータリー式が多い。
・ シートベルト着用は乗車するすべての者に義務づけられており、12歳未満の者を助手席に乗車させることは禁止されています。
・ 踏切での一時停止は必要無い。追突事故の原因にもなるので要注意。
・ 速度違反や飲酒運転の取り締まりは年々強化されています。
・ 標識の表示位置が日本より低く、直進表示は緑矢印灯だけで表示される場合もあり、馴れるまでは見にくく感じられます。
・ 工事や故障・停電などのために信号が点灯していないことも時々あります。
・ 片側2車線以上の道路ではバス専用レーンが設定されていることが多く、標識に示された時間帯では一般車両は専用レーンを通行できません。

(3)運転マナー
・ 運転マナーは一般的に良いと思われますが、信号無視や無理な割り込み等のマナーの悪いドライバーも見受けられます。
・ 幹線道路でも横断歩道以外を平気で横断する歩行者が通勤時間帯を中心に多く見られますので十分注意してください。
・ 通勤に自転車を利用する者もおり、接触事故に要注意。
 
(4)交通事故
 直ちに警察(負傷者がある時は救急車も。電話119又は112)を呼んでもらい、警察・救急車が来るまでの間に目撃者を確保したほうが良いでしょう。警察を呼んで実況見分をしてもらい、後に事故を証明できるようにしておくと共に、事故の相手側の氏名、住所、電話番号、車種、登録番号、保険会社名を控えておきます。

4 風俗、習慣、健康等
(1)カトリック信者が多いこともあり、日曜日は教会に行く等静かに過ごす人も多くいます。日曜日の午前中は多くの施設、店舗が閉まっており、また公共交通機関の運行本数も目立って少なくなります。
 
(2)公共施設内や乗り物などは禁煙です。
 
(3)水道水は特に問題はなく普通に飲めますが、煮沸、濾過等をしている人もいます。
ミネラルウォーターも広く販売されています。
 
(4)食中毒、肝炎等の発症例もあり、生ものには十分気をつける必要があります。
 
(5)医療事情
 この国の医療制度はホームドクター制度になっています。まず、ホームドクター(GP)に診察してもらい、その紹介状を持って専門医に行くことになります。ホームドクターにかからないで直接行ける専門医は急患を除き歯科医のみです。
 緊急医療体制は整備されているとはいえ、医師不足、看護師不足、病床不足の影響も深刻で、国公立の病院(Public Hospital。原則無料)の場合、入院が必要であっても直ちに入院できない場合が多くあります。民間の病院(Private Hospital)は高料金ですが、国公立の病院より早い治療・入院ができます。また、救急車で搬送されても差し迫った生命の危険がないと判断されると、場合によっては長時間待たされることもあります。

5 その他
・ アイルランドに日本人会はありません。
・ 日系企業の団体「在アイルランド日本企業懇話会」と補習授業校2校があります。
企業関係についての照会は在アイルランド日本国大使館日本企業支援窓口(economic@ir.mofa.go.jp)、補習校については同館領事班(consular@ir.mofa.go.jp)にそれぞれお問い合わせください。

6 参考ウェブサイト
 アイルランド政府の公共サービス案内サイト「Citizens Information」では、当地の生活に関する情報を多分野にわたり掲載しています。
アドレス http://www.citizensinformation.ie
 

● テロ・誘拐対策

1 テロ情勢
 2001年9月11日の米国における同時多発テロ以降、アイルランドにおいてはISIL(イラク・レバントのイスラム国)、アル・カーイダ等のイスラム過激派によるテロは発生しておらず、また、国内にはイスラム過激派組織の存在も確認されていません。
 しかし、アイルランド政府の発表では、2010年のアラブの春以降、イラクやシリアなどの紛争地に渡航し、戦闘行為に参加した者や、これらのグループに経済的援助など支援しているアイルランド国民が確認されており、治安当局は引き続き、これらの人物の動向を注視しています。
 また、2015年2月にパリで発生したシャルリーヘブド事件以降、アイルランド政府は、国内の国際テロに対する脅威度を「低い(Low)」から「テロ攻撃の可能性はあるが、具体的な脅威はない」という意味の「平穏(Moderate)」に引き上げ、現在も継続中です。
 アイルランド国内最大のテロ組織であったIRAは1997年にテロ活動停止を宣言し、活動方針を武装闘争から合法的政治活動へと転換しました。その結果、IRAは完全に武装活動を放棄したことを公式に認められ、2007年5月にはIRAの政治活動母体であるシン・フェイン党も参加した北アイルランド自治政府が復活しました。
 しかし、和平路線を不満としてIRAから離脱した共和主義者らを中心に結成された「真のIRA」(RIRA)や「IRA継続派」(CIRA)などの反体制派グループは依然としてテロ活動を放棄していません。これらの組織は、北アイルランドを中心に爆弾や武器類の調達と保管、要員の勧誘と訓練、宣伝活動等を行い、英国軍隊や北アイルランド警察等を標的に爆弾テロ攻撃を行っていますが、アイルランド国内にあるこれら組織の拠点からも武器や爆弾などが発見されています。

2 誘拐事件の発生状況
 誘拐事件は、いずれも身代金やわいせつ、人身売買を目的とした一般犯罪で、テロや政治目的が背景にあるものではありません。傾向として、現金輸送を担当する警備会社の警備員や銀行員の家族などを誘拐して本人を脅迫し、現金を要求する事案(Tiger Kidnapping)も引き続き発生しています。
 
3 日本人・日本権益に対する脅威
 日本人・日本権益に対する具体的脅威の存在は確認されていませんし、その脅威レベルも高いと見られていません。しかし、フランス・パリやベルギー・ブリュッセルなどにおける無差別なテロ事件が連続して発生している現状にかんがみれば、巻き添え等偶発的な被害のみならず、直接の標的とされる可能性も完全には排除できません。
 普段から新聞・テレビ等のニュースに気を配り、一般犯罪やテロに巻き込まれないよう十分注意しましょう。
 

● 緊急事態対処マニュアル

1 平素の準備と心構え
(1)在留届は、緊急時に皆様の安全を確認する際に必要な重要な届出です。必ず提出し、届出事項に変更が生じた場合も必ず大使館に連絡して下さい。
(2)家族間・友人間・勤務先等との連絡方法、連絡網を日頃から準備しておきましょう。
(3)アイルランドでは、緊急避難場所の指定はありません。家族等と緊急時の集合場所を決めておきましょう。
(4)非常用の食料・水・医薬品などを準備しておきましょう(最低5日分)。
(5)旅券・現金はいざという時にすぐ持ち出せるようにしましょう。
(6)車輌の整備、燃料の補充は常に心掛けましょう。
 
2 緊急時の行動
(1)在留邦人の保護は大使館の重要な任務です。大使館は、緊急時には情報収集・情勢判断・対策の策定を行いますので、まずは大使館までご一報下さい。
(2)各種メディアからの情報収集も各自心掛けて下さい。
(3)緊急事態の蓋然性が高まった場合、基本的には外出を控え、当局の指示に従うか次の行動に備えて下さい。
(4)各自の判断で国外退避が必要と判断した場合は、とりあえず航空券の予約を入れることをお勧めします。空路による退避が困難な場合は船による退避に切り替えるか、場合によっては大使館が中心となり移動手段のアレンジをする事もありますので、当大使館の勧告に従うようにして下さい。


● 緊急事態に備えてのチェック・リスト

1 旅券
(1)旅券については、6か月以上の残存有効期間があることを常に確認しておいてください。
(2)旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載しておいてください。特に、下段に血液型(blood type)につき記入しておくと有用です。
(3)旅券と併せ、IDカードはいつでも持ち出せる状態にしておいてください。なお、出国や再入国に係る許可は常に有効な状態としておくことが必要です。

2 現金、貴金属、貯金通帳等の有価証券、クレジット・カード
 これらのものも、緊急時には旅券とともにすぐ持ち出せるよう保管しておいてください。現金は家族全員が10日間程度生活できる外貨及び当座必要な現地通貨を予め用意しておくことをお勧めします。
 ただし、10,000ユーロ以上の現金・小切手類をEU圏内に持ち込む場合、あるいはEU圏外へ持ち出す場合は、税関への申告が必要です。

3 自動車等の整備
(1)自動車をお持ちの方は常時整備しておくよう心掛けてください。
(2)燃料は十分入れておくようにしてください。
(3)車内には、懐中電灯、地図、ティッシュ等を常備してください。
(4)なお、自動車を持っていない方は、近くに住む自動車を持っている人と平素から連絡を取り、必要な場合に同乗できるよう相談しておいてください。

4 携行品の準備
  避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記1~3のほか次の携行品を常備し、すぐ持ち出せるようにしてください。なお、退避時の飛行機内への持ち込み制限も考慮し、携行品は20kg程度にまとめておくことをお勧めします。
(1)衣類・着替え(長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で、殊更人目を引くような華美でないもの、麻、綿等吸湿性、耐暑性に富む素材が望ましい。また、季節に応じ防寒着を持参することが望ましい。)。
(2)履き物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの)
(3)洗面用具(タオル、歯磨きセット、石鹸等)
(4)非常用食料等
 しばらく自宅待機となる場合も想定して、米、調味料、缶詰類、インスタント食品、粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを、家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいてください。一時避難のため自宅から他の場所へ避難する際には、この中からインスタント食品、缶詰類、粉ミルク、ミネラルウォーターを携行するようにしてください(3日分程度以上)。
(5)医薬品
 家庭用常備薬の他、常用薬(必要に応じて医師の薬剤証明書(英文)も用意)、救急キット(外傷薬、消毒薬、衛生綿、包帯、絆創膏など)、マスク等。
(6)報道
 NHK国際放送を通じ、安全情報を伝達する場合があります。
(7)その他
 懐中電灯、予備の強力バッテリー、ライター、ローソク、マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、防災頭巾(応急的に椅子に敷くクッションでも可)等
 

● 緊急時の連絡先

1 警察・消防・救急  999 または 112
 
2 在アイルランド日本国大使館
休館日はアイルランドの休日および若干の日本祝日(年によって異なりますので当館ホームページで確認してください。)
当館ホームページhttp://www.ie.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
代表電話     +353-(0)1-202-8300
代表FAX       +353-(0)1-283-8726
領事班FAX    +353-(0)1-260-1285
領事班E-mail   consular@ir.mofa.go.jp
 
3 外国人犯罪被害者向け支援サービス(アイルランド警察委託組織)
  Irish Tourist Assistance Service (ITAS)
  ただし、日本語での対応はありません。
電話 01-478-5295
FAX  01-478-5187
E-mail  info@itas.ie


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