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■渡航情報
1.犯罪発生状況及び防犯対策
2.査証・出入国審査等
3.滞在時の留意事項
4.風俗、習慣、健康等
5.テロ・誘拐対策
6.緊急事態対処マニュアル
7.緊急時の連絡先
1.犯罪発生状況及び防犯対策
2010年の犯罪発生件数は27万449件で、前年比5.0%の減少でした。総件数の約37%は窃盗犯罪です。近年の経済情勢の悪化を受け、強盗、スリ・ひったくり、誘拐、監禁は増加しています。銃器薬物取引に絡む抗争の頻発により警察も取締りを強化し、殺人等の一部凶悪犯罪は減少しました。しかし、依然としてギャング絡みの犯罪は増加しています。凶悪犯罪の多くは、首都ダブリンに限らず主な都市部で夜間から早朝にかけて発生しています。
(1)侵入窃盗
窃盗目的の住居侵入件数は、ここ10年程の間で増減を繰り返しています。2010年の発生件数は2万4,502件で前年比6.2%の減少となりました。
空き巣犯は事前に家族等の行動の下調べをすると言われていますので、自宅周辺で不審な人物等を見かけた場合には用心が必要です。また、車が故障したから電話を貸して欲しいなどと口実を設けて住居に入り、そこから仲間に電話をして番号通知制度を悪用して電話番号を控え、犯行直前に電話し留守を確かめるという手口があります。留守がちな家、老人のみの家、侵入警報装置がない家なども狙われやすい傾向にあります。
郵便物を狙った窃盗事件も多く発生しています。郵便物中の個人情報がカード詐欺などの犯罪に悪用されないよう、郵便受けに施錠したり、郵便物送付先を会社等に指定したりするなどの予防措置を施すことをお勧めします。
【侵入盗防止策】
(イ)隣人と良好な関係を築き、お互い防犯に協力しあう。
(ロ)防犯警報装置を設置する(定期的な点検を忘れない)。
(ハ)長期間留守にする場合には、タイマーを利用して照明を一定時間点灯させる等により、不在をカムフラージュする。
(ニ)戸締まりは絶対に忘れない。
(ホ)貴重品や高価電化製品が外から見えないようにする。
(2)車上狙い
駐車中、座席やダッシュボードの上など目に付く所にバッグ類等を置くと、ガラスを破られたりドアの錠を壊されて、盗まれます。貴重品を車内に入れるところを他人に見られた場合も被害に遭いますので、トランクといえども決して安全とは言えません。盗難防止のためにはまず警報装置の取り付けを勧めます。
また、信号待ちの際、ドアロックをしていないとドアを開けられて被害に遭うこともあります。駐車中はもちろん、走行中でも容易に外部から見える所には貴重品を置かないことが肝要です。カメラ、パソコン、ラジカセ、CDプレーヤーやカーナビ等の車内放置は犯罪を引き起こす要因になります。
(3)車両盗難
車両盗難はその大半が若者による犯行と言われています。盗んだ車両は一通り乗り回した後放置したり、ひと気のない所で焼棄したりします。また、犯罪組織が犯行時の逃走車両とするために盗むこともあります。
駐車場所に十分気を付ける、警報装置を取り付ける等に加え、ハンドルとブレーキペダルを固定したりギヤとサイドブレーキを固定する防犯器具を装着した方がより安全です。また、空き巣に入った際に車の鍵を捜し出して車を盗むといった犯行手口も増加していることから、留守中の鍵の保管にも注意してください。
(4)スリ・ひったくり
ダブリンの繁華街であるオコンネル通りやグラフトン通り周辺など人通りの多い場所、混雑している電車内などでスリが多発しています。ひったくりは繁華街から若干離れた場所で多発しており、追い越しざまのひったくりや、複数人が取り囲み一人が注意を引きつけて他の者がポケットやバッグ等から盗み取るという手口もあります。旅行者は恰好のターゲットになりますので、地図を拡げながら歩かないようにしてください。また、現金の所持は必要最小限にし、カード類も分散して所持してください。
(5)置き引き
レストラン、パブ、クラブなどでの飲食中やショッピング中の置き引きに注意が必要です。たとえ一流と言われているホテルでも注意しましょう。目を離した隙に上着、ハンドバッグ、カバン等を盗まれ、現金だけ抜かれ付近に捨てられるケースが多いようです。安易に椅子に上着を掛けたり、短時間でもバッグ等を置きっぱなしにして離れたりすることのないようにしてください。
(6)路上強盗
裏通りはもちろん、繁華街でも夜間の一人歩きは避けてください。また、地域にかかわらず深夜に外出することはなるべく避け、帰宅が遅くなる場合には、家族・知人等に迎えに来てもらうようにしてください。タクシーは一般的に安全といえますが、深夜帯における女性の単独乗車は避けた方が賢明です。偽タクシーによる強盗・わいせつ事案も発生していますので、タクシーを利用する際は流しではなく、電話で配車を依頼する事を勧めます。
過去に、置き引きの被害に遭った日本人が被害品を取り戻そうとして、犯人の仲間に殴打され怪我をするという事件がありました。万一被害に遭っても、犯人を追いかけるようなことはせず、速やかに警察に通報するなど自分の身の安全を最優先にした上での対応を心掛けてください。
(7)薬物・銃器犯罪
薬物密売組織間の抗争による殺人事件や銃器使用事件が多く発生しています。2010年は薬物事犯2万2件、銃器所持416件、銃器使用177件の検挙がありました。これらの犯罪はいずれも昨年を下回りました。
薬物は刑務所の中にまで浸透しています。アイルランドはコカイン消費量が人口比ベースで欧州第4位であり、深刻な社会問題のひとつとなっています。薬物に手を出さないことは当然ですが、知らないうちに薬物取引に巻き込まれる場合もありますので、他人から「ちょっとだけ荷物を預かってほしい」、「見ていてほしい」、「運んでほしい」などと言われても断り、その場からすぐに立ち去ってください。
2.査証・出入国審査等
(1)査証
日本とアイルランドとの間には査証免除取極があり、観光等の非営利活動及び短期の商用(ビジネス)の場合は、滞在期間が6か月以内ならばアイルランド入国に際して査証は不要です。しかし、3か月以上滞在する場合は、最寄りの警察署(Garda)で「外国人登録」を行うと同時に滞在許可を取得する必要があります。
(ダブリンではThe National Immigration
Bureau、通称Aliens Office、13/14Burgh
Quay, Tel(01)666-9100)
(2)出入国審査
(イ)アイルランドと英国とは共通旅行区域(Common
Travel Area)となっており、英国経由でアイルランドに入国する場合は、英国の空港でアイルランドへの入国審査が行われます。
(ロ)最近アイルランドへの入国審査が非常に厳しくなっています。就学予定のため英国経由でアイルランドに入国する場合、3か月以内であっても、英国の空港で学校からの入学許可等のレター及び入学金等の支払い証明書の提示を求められる事があります。また、入国してから学校を探すと申し出た場合には、不法就労目的と見なされ、乗り継ぎを拒否される場合があります。英国以外を経由してアイルランドに入国する場合も、上記の様なケースですとアイルランドにおいて入国を拒否される場合があります。過去には、入国してから語学学校を決めて英語を勉強したいと6か月先の帰国航空予約券を提示しながら申し出たところ、ダブリン空港で入国を拒否された日本人がいます。
(ハ)短期の商用の場合でも、商用であることの証拠書類を求められることがありますので、訪問先からのInvitation
Letterまたは派遣元のレター(目的、訪問先、滞在期間、滞在先等を記載)を携行してください。
(ニ)滞在目的に合った滞在許可を得ていない滞在や、滞在許可期限が切れたままの滞在は不法滞在となり、また、労働許可を得ずに就労した場合(ワーキングホリデーを除く)は不法就労となり、ともに国外退去及び処罰の対象となりますので注意してください。
滞在期間が3か月以内の場合でも、入国時(英国の空港を含む)に許可された滞在期間を超えて滞在する場合は、滞在許可期間内に更新を行う必要があります。
(ホ)アイルランド入国時の旅券の残存有効期間は、就学の場合はコース終了後6か月以上、その他の場合は3か月以上が必要です。また、片道切符しか所持していない場合や所持金が少ない場合は入国を拒否されたり、滞在期間を限定されたりすることがあります。一人旅の女性も入国審査が厳しいことがあります。
出入国関係規則が変更されることもありますので、念のため出発前に在日アイルランド大使館に入国手続きについて確認されることをおすすめします。
(3)外貨申告
10,000ユーロ以上の現金・小切手類をEU圏内に持ち込む場合あるいはEU圏外へ持ち出す場合は、税関への申告が必要です。申告手続等の詳細は下記まで問い合わせください。
Customs
Information Office
電話 : 国番号353−(0)1−877−6222・6223
サイト:www.revenue.ie
E-mail:customsinfo@revenue.ie
(4)通関
(イ)持込み禁止品目(または特別許可を要するもの)
火器、弾薬、爆発物、攻撃用武器、ポルノ関係品(本、雑誌、写真及びビデオ類)、植物及び球根類、動物(犬、猫を含む)、鳥又は家禽類、絶滅の危機に瀕する種、肉及び肉製品、干し草、わら(包装用を含む)
(ロ)持出し禁止品目(商業目的でない個人宛郵送・クーリエ送付)
肉、肉製品、牛乳、牛乳製品
3.滞在時の留意事項
(1)在留届
アイルランドに3か月以上滞在される方は、緊急時に連絡をとる必要がありますので、到着後遅滞なく在アイルランド日本国大使館に「在留届」を提出してください。在留届は、在留届電子届出システム(ORRネット、http://www.ezairyu.mofa.go.jp/)による登録をお勧めします。また、郵送、FAXによっても行うことができますので、その場合には、在アイルランド日本国大使館まで送付してください。また、住所その他の届出事項に変更が生じたとき、又は、アイルランドを去る(一時的な旅行を除く。)ときは、必ずその旨を届け出てください。
(2)旅行・写真撮影の制限
旅行制限は特にありません。
軍事施設の写真撮影は禁止されています。空港での撮影は、公共スペースでは問題ありません。しかし、それ以外の空港施設については禁止されています。
(3)交通事情
(イ)アイルランドは日本と同じ左側通行ですので、運転する上で戸惑うことは少ないと思われます。住宅街はT字路や行き止まりの道路が多いですが、標識は比較的整備されています。信号のない交差点では右側からの車両が優先となります(YIELDの標識)。郊外の交差点はラウンドアバウトと呼ばれるロータリー式が多いですが、市内では多くの交差点に信号があります。信号機について注意することは、表示位置が日本より低く、直進表示は緑矢印灯だけで表示される場合もあり、馴れるまでは見にくく感じられる点です。また、工事や故障・停電などのために信号が点灯していないことも時々あります。
(ロ)運転マナーは一般的に良いですが、信号無視や無理な割り込み等のマナーの悪いドライバーも見受けられます。幹線道路でも横断歩道以外を平気で横断する歩行者が通勤時間帯を中心に多く見られますので十分注意してください。また、速度違反や飲酒運転の取り締まりは年々強化されています。シートベルト着用は乗車する全ての者に義務づけられており、12歳未満の者を助手席に乗車させることも禁止です。
また、踏切での一時停止は必要ありません。追突事故の原因にもなりますので注意してください。
(ハ)交通事故を起こした場合は、すぐ警察(負傷者がある時は救急車も。電話番号は999あるいは112)を呼んでもらい、警察・救急車が来るまでの間に目撃者を確保したほうが良いでしょう。警察を呼んで実況見分をしてもらい、後に事故を証明できるようにしておくとともに、事故の相手側の氏名、住所、電話番号、車種、登録番号、保険会社名を控えておくことが大切です。
4.風俗、習慣、健康等
(1)カトリック信者が多いこともあり、多くの人は日曜日には教会に行く等静かに過ごしています。日曜日の午前中は多くの施設、店舗が閉まっており、また公共交通機関の運行本数も目立って少なくなります。
(2)公共施設内や乗り物などは禁煙です。
(3)水道水は特に問題はなく普通に飲めますが、煮沸、濾過等をしている人もいます。ミネラルウォーターも広く販売されています。
(4)食中毒、肝炎等の発症例もあり、生ものには十分気をつける必要があります。
(5)医療事情
アイルランドの医療水準は比較的高いと言えます。アイルランドでは、疾病等の際には、まず、ホームドクターの診察を受け、その紹介状を持って専門医に行くというホームドクター制度が採用されています。このため、ホームドクターにかからないで直接診療を受けることのできる専門医は急患を除き歯科医のみです。
緊急医療体制は整備されているとはいえ、医師不足、看護師不足、病床不足の影響も深刻で、Public
Hospital(無料又は低料金)の場合、入院が必要であっても直ちに入院できない場合が多くあります。Private
Hospitalは高料金ですが、Public Hospitalより早い治療・入院ができます。また、救急車で搬送されても差し迫った生命の危険がないと判断されると、場合によっては長時間待たされることもあります。
(6)その他
アイルランドには日本人会はありません。日系企業の団体「日本企業懇話会」(連絡先は当館領事班に照会願います)があります。
(7)参考ウェブサイト
アイルランド政府の公共サービス案内サイト「Citizens
Information」では、当地の生活に関する情報を多分野にわたり掲載しています。
アドレス:http://www.citizensinformation.ie
5.テロ・誘拐対策
(1)テロ情勢
(イ) アイルランドにおけるテロ組織は、いずれも北アイルランド問題に端を発した反体制共和主義者組織ですが、アイルランド国内で政府や国民に対して直接的な行動はとっていません。2010年中、アイルランドではテロ組織によるテロや暴力的破壊活動等の事件は発生していません。
(ロ) 2001年9月11日の米国における同時多発テロ以降、アイルランドにおいてはアル・カーイダ等のイスラム過激派によるテロは発生しておらず、国内にはイスラム過激派組織の存在も確認されていませんが、心情的に同調している者は存在すると言われています。
(ハ) アイルランド国内最大のテロ組織であったIRAは1997年にテロ活動停止を宣言し、活動方針を武装闘争から合法的政治活動へと転換しました。その結果、IRAは完全に武装活動を放棄したことを公式に認められ、2007年5月にはIRAの政治活動母体であるシン・フェイン党も参加した北アイルランド自治政府が復活しました。しかし、和平路線を不満としてIRAから離脱した共和主義者らを中心に結成された「真のIRA」(RIRA)や「IRA継続派」(CIRA)などの反体制派グループは依然としてテロ活動を放棄していません。これらの組織は、北アイルランドを中心に爆弾や武器類の調達と保管、要員の勧誘と訓練、宣伝活動等を行い、英国軍隊や北アイルランド警察等を標的に爆弾テロ攻撃を行っています。
(2)各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「真のIRA」や「IRA継続派」などの反体制派グループは、組織維持のための資金源獲得方策として犯罪行為にも手を染めていると言われています。自ら強盗・恐喝・薬物取引・売春・燃料密輸等を実行して資金を調達するとともに、犯罪組織ともコネクションを持ち用心棒代等の名目で資金を調達しており、犯罪組織間の抗争事件にも関係していると言われています。北アイルランドとの国境付近の他、ダブリン、コーク、リムリック、ゴールウェイなどの都市部において特に注意が必要です。
(3)誘拐事件の発生状況
ここ数年の誘拐事件の発生件数は40件前後で推移しています。これらはいずれも身代金を目的とした一般犯罪で、テロや政治目的が背景にあるものはありません。近年の傾向として、現金輸送を担当する警備会社の警備員や銀行員の家族などを誘拐して本人を脅迫し、現金を要求する事案(Tiger
Kidnapping)が多く発生しています。
(4)日本人・日本権益に対する脅威
日本人・日本権益に対する具体的脅威の存在は確認されていませんし、その脅威度も高いと見られていません。しかし、日本を攻撃対象として名指しする声明がアル・カーイダ関係者と名乗る者等によりインターネット等を通じて出されている現状を考慮すれば、巻き添え等偶発的な被害のみならず、直接の標的とされる可能性も完全には排除できません。
6. 緊急事態対処マニュアル
(1)平素の準備と心構え
(イ)在留届は、緊急時に皆様の安全を確認する際に必要な重要な届出です。必ず提出し、届出事項に変更が生じた場合も必ず大使館に連絡してください。
(ロ)家族間・友人間・勤務先等との連絡法法、連絡網を日頃から準備しておきましょう。
(ハ)アイルランドでは、緊急避難場所の指定はありません。家族等と緊急時の集合場所を決めておきましょう。
(ニ)非常用の食料・水・医薬品などを準備しておきましょう(最低10日分)。
(ホ)旅券・現金はいざという時にすぐ持ち出せるようにしましょう。
(ヘ)車両の整備、燃料の補充は常に心掛けましょう。
(2)緊急時の行動
(イ)在留邦人の保護は大使館の重要な任務です。大使館は、緊急時には情報収集・情勢判断・対策の策定を行いますので、まずは大使館までご一報下さい。
(ロ)各種メディアからの情報収集も各自心掛けてください。
(ハ)緊急事態の蓋然性が高まった場合、基本的には外出を控え、当局の指示に従うか次の行動に備えてください。
(ニ)各自の判断で国外退避が必要と判断した場合は、とりあえず航空券の予約を入れることをお勧めします。空路による退避が困難な場合は船による退避に切り替えるか、場合によっては大使館が中心となり移動手段のアレンジをすることもありますので、当大使館の勧告に従うようにして下さい。
(3)緊急事態に備えてのチェックリスト
(イ)非常用の食料、水、医薬品、衣類他簡易な日用品
(ロ)旅券、現金、各IDカード、クレジットカード等の貴重品類
(ハ)ラジオ、懐中電灯、ロウソク、電池、ライター、多機能ナイフ(十徳ナイフ等)
7.緊急時の連絡先
(1)警察、消防 999 又は 112
(2)日本国大使館(休館日は、アイルランドの休日および若干の日本の休日(年によって異なりますので当館のホームページで確認してください))。
ホームページ:www.ie.emb-japan.go.jp/Nihongo.htm
代表電話 :353(国番号)―(0)1−202−8300
FAX :353−(0)1−283−8726
領事班 :353−(0)1―202−8308・8309
領事班FAX:353―(0)1―260−1285
(3)日本国外務省
領事局海外邦人安全課 (代表)03−3580−3311(内線)5140
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