領事情報

令和6年2月15日

海外安全対策情報

海外安全対策情報(20242月)
 
1 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪情勢の概要
 2023年12月1日、アイルランド中央統計局が2023年第3四半期までの犯罪統計を発表しました。

https://www.cso.ie/en/releasesandpublications/ep/p-rc/recordedcrimeq32023/mainresults/

 前年に比べ、総件数は減少しておりますが、窃盗は約1万件増加の72,340件、詐欺は減少傾向にありますが、10,629件と高水準で推移しています。恐喝や暴行・傷害などの犯罪も増加しました。詐欺については、携帯電話やインターネットを利用した特殊詐欺事件が依然として多数発生しました。
 
(2)特殊詐欺の典型的な手口
・当地の行政機関や警察を装い、電話で「あなたのPPSナンバーが不正に利用されている」、「犯罪に使われた車の中からあなたのDNAが検出され、あなたに容疑がかかっている」、「押収された薬物からあなたのDNAが採取されたため、逮捕状が発付された」、「あなたに高額な罰則金が発生した。逮捕回避には支払いが必要である」等の説明をして、捜査名目で個人情報や口座情報、暗証番号などを聞き出そうとします。電話を切ろうとすると、「既に捜査を開始しており、この通話を録音しているので、電話を切れば違法行為となり、高額な罰金が課される」等と脅し、通話を継続させ、個人情報を聞き出したり、金銭の振り込みを要求してくる場合があります。


※犯人の中には、実在する警察署の電話番号に酷似した番号を使用したり、着信表示が、警察署の実際の番号や警察署などと画面に表示されるように細工したりしている場合もあります。

・銀行を装い、Eメールやテキストメッセージで「あなたの口座から高額の支払いが行われようとしている。支払いを中止するにはリンク先にアクセスして、送金停止の処理をしてください。」などと虚偽の説明をして偽サイトへ誘導し、口座情報と暗証番号を入力させ、個人情報を盗み取り、本人に成りすましてオンラインで口座にアクセスし、金銭をだまし取るなどします。

・海外にいる家族やその代行者を装い、「携帯電話をなくした」、「犯罪に巻き込まれ、その弁護士費用、保釈金等で、急遽支払いが必要になった」等と虚偽の説明をして、犯人の口座に金銭を送金させようとします。

 ・古い家にリフォーム業者を装って押しかけ、家屋の破損など虚偽の報告をして修理の注文を受け、仕事をきちんとせずに、高額な請求をすることもあります。さらに後日、その仕事に対する付加価値税等の追加費用を請求したり、また、隙を見て自宅内から金品を盗むこともあります。

(3)特殊詐欺対策
当地警察によれば、英語を母国語としない人々が上記(2)の被害に遭いやすいとのことです。当地の行政機関や金融機関は、現在もテキストメッセージなどで連絡をとることがありますが、口座番号や暗証番号の入力、罰金等と称して金銭の送金を求めてくることは絶対にありません。口座番号の暗証番号は絶対に教えないでください。心当たりのない連絡は、返信等しないように心がけてください。また、心当たりがあっても、すぐに相手の送ったテキストメッセージのリンク先等にアクセスすることなく、公式ホームページなどに掲載されている正規の連絡先に連絡し、事実確認をしてください。
 
2 テロ事件発生状況
 確認されていません。
 
3 邦人被害事案の発生状況
 邦人を標的とした犯罪の発生は確認されていませんが、旅行者を狙った街頭犯罪は発生しています。当地に長期間滞在している方でも、犯罪者から見れば「アジア系外国人」として一括りに捉えられるおそれがあるため、外出時は周囲に気を配ることが重要です。
オコンネル通りやグラフトン通りなど多数の往来がある場所、レストランやパブでは窃盗事件が頻発しています。特に、リュックサックから財布やパスポートなどを盗まれるスリ被害が多発しているので、混雑した場所ではリュックサックを前に抱えるなどの防犯対策を講じてください。
また、夜間の繁華街は酔っ払いや不良少年の姿もあり、因縁をつけられてトラブルになるおそれもあるため、そのような人物やグループには近づかないように十分注意してください。
 
4 日本企業関連
日本企業の安全に関する具体的脅威の存在は確認されていません。
以 上