着任挨拶

令和7年12月1日

在アイルランド日本国大使館のホ-ムページをご覧頂いている皆様、はじめまして。このたび着任いたしました宮川学と申します。

ご挨拶の前に、本年10月14日に逝去された島田順二・前駐アイルランド日本国特命全権大使及び島田薫同夫人とご遺族に対して、心より哀悼の意を表します。

故・島田大使は、昨年12月にアイルランドに赴任以来、日アイルランド関係の発展のため精力的に取り組まれ、今年7月には、マーティン・アイルランド首相の訪日に同行、日・アイルランド首脳会談に参加、大阪・関西万博視察に同行し、日本大使としての任務を誠心誠意、全力で遂行されました。島田大使の訃報に接し、アイルランド政府及び国民、アイルランド在住の日本人の多くの方々から、弔意の表明を頂きました。

また、島田大使と私は同期でもありますが、9月ころ、当時、外務省沖縄事務所に在勤しておりました私に、電話で何度か連絡を頂き、アイルランドの素晴らしさ、日アイルランド関係の重要性について、ご自身の経験に基づき、詳細かつ熱心なブリーフを頂きました。

アイルランドは、日本にとって重要な国です。多くの日本企業がアイルランドに投資を行い、また、留学生、JETプログラム、ラグビーなどのスポーツ、観光等を通じて、若者を含め様々な世代の人と人との交流も盛んです。現在放映中のNHKの朝ドラ「ばけばけ」では、アイルランド人の父をもち、子どもの頃をアイルランドで過ごしたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が活躍中です。

このようなアイルランドの歴史や豊かな文化から生じる魅力の上に、アイルランドが英国、欧州、米国、世界に広がるネットワークを備えていることは、日本や日本企業にとって、アイルランドは現代の戦略的拠点、日本と欧州そして世界を繋ぐ架け橋との重要な意味を加えていると思います。2026年後半、アイルランドはEU議長国を務める予定です。

7月に東京で開催された日・アイルランド首脳会談において、こうした両国関係を一層深めて行くことにつき合意を見たところであり、11月の南アフリカでのG20サミットにおいても両国首相が言葉を交わしたばかりです。

さて、私は、40年近く前に、英国に4年間住み、働いておりました。最初の2年は英国の大学で外交官補として研修をしており、ダブリンとスライゴーに旅行で参りました。その後、18年前に出張でダブリンを訪れ、今回はそれ以来の再訪となりました。これまで両国の先人たちが築かれてきた両国関係の更なる発展に向けて、また、アイルランドに在住及び旅行中の日本人の方々が、引き続き安全で安心な日々をお過ごしいただけるように、アイルランド政府及び国民と緊密に協力し、日本大使館館員一同、日々努力を重ねてまいります。

来年は、午年。アイルランドも日本も、競馬が盛ん、馬が合う関係とも聞きます。2027年の両国外交関係樹立70周年も視野に入れて、アイルランド各地を訪れ、多くのアイルランドの人々、そしてアイルランド在住の日本人のみなさまとお会いできる機会を楽しみにしております。どうぞご指導、ご鞭撻、おつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。
 


駐アイルランド日本国大使
宮川 学